【番外編】 てくてく In The World 台湾・大坑歩道をハイキング

11月某日、てくてく役員の課外活動?というより単独企画で台湾の山を登ってきました。

今回登山した山は、首都・台北市の南に170km、台中市郊外に位置する頭嵙山のハイキングコース”大坑歩道。今年ひょんなことからてくてくの発足に参加させてもらえたことで登山を楽しませてもらっているけれど、もともと好きだった旅行と登山を掛け合わせて、海外登山に行ってみようと突拍子もなく思いつく。
場所は、飛行機で3時間程で気軽に行ける台湾を選んだ。台湾にあまり登山というイメージはなかったけれど、地図を見てみると山脈が国の中心を南北に走っており、あの狭い国土に富士山級の3000mを超える山が200以上ある。ただ調べてみると、台湾の高山は国立公園にて指定されているところが多く、入園許可証が必要となる。その許可証をとるのに2週間から1か月はかかってしまう。台湾で登山をしようとする外国人は大抵現地の登山ツアー会社やガイドを雇って代行してもらっているらしい。今回はそれを手配するのにカネと時間が圧倒的に足りないし、装備もない(大抵の場合山小屋で一泊することになる)、そもそもそんな高山を登頂するのは自分の能力がついてこない。そんな消去法で絞り込んでき、登山から下山まで所要2時間の”大坑歩道”に決定した。


当日の気候は快晴。台湾北部の気温は少し肌寒いくらいだったけれども、この日の台中の気温は24℃と登山にはうってつけの気温。半袖のシャツ一枚で十分だった。東京・台北と着ていた長袖のパーカーを脱ぐと非常に心地よい。

台中市内のホテルから路線バスに乗って登山口まで移動。ちゃんと登山口までいけるのか、そもそも大坑歩道なんて見つかるのか、と不安になり前日ホテルのwifiで入念に調べ上げたが杞憂だった。登山口の入り口は立派な公園になっていてバスの停留場の目の前だった。


見上げてみる頭嵙山の山頂は地元・加波山の頂上ぐらいの小高い山だった。麓では台湾らしく朝から登山口までの歩道の脇に屋台や出店が並んでいた。さすが台湾、人が集まるところには出店が並ぶ。休憩中の楽しみにとおやつと飲み物を買いそろえる。


9時ちょっと過ぎにいよいよ登山開始である。大坑歩道にはいくつも登山ルートがあるが、自分が降りたバス停は9と10番ルートの登山口となっていた。看板を眺めてあれこれと登山プランを練っていると、隣で準備運動をしていたおじさんと目があい、熱心に登山道の説明をされる。自分が中国語をほとんどわかっていないのに気付いたのかにっこり微笑まれる。何はともあれ台湾の人は親切な人が多い。一日たっぷり時間を使えるので、10番ルートを登って山頂→6番ルートを散策→9番ルートを使って下山というプランに決定した。


登山道は山頂までウッドデッキで舗装されていてとても歩きやすい。ただ、入り口からのいきなりの階段の連続、しかも結構急で30分ほどでクタクタ。階段を昇りきったところのベンチで休憩。周りにはバナナの木が植えられていたりと南国の雰囲気だった。麓の屋台で買ったグレープフルーツ風味のお茶を一気飲み。汗をかいた体に柑橘系の甘酸っぱさがちょうどよく一気に飲み干してしまった。




そんなこんなで1時間ちょっとで山頂に到着。麓からの風が吹いてきてとても気持ちがいい。山頂にも屋台が出ていてライチアイスを食べながら、台中の街を眼下に眺めて、一人自己満足に浸る。


山頂の休憩所には観音亭というお寺を発見。中華風のゴテゴテしい装飾でなんだか俗っぽい寺だったけれど、ともあれ帰国までの無事をお祈りして9番ルートを使って下山開始。


アジアの国を旅行中、都市部を離れるといつも厄介なことが起きる。それは野犬だ。アジアの野良犬は日本の犬より野生味が感じられ、野良犬というより野犬という言葉が似合う薄汚い風貌で獰猛だ。僕はもともと犬は苦手なので出くわすとかなり堪える。この日も下山途中、道端の岩の上で犬が昼寝をしているのを見かける。横を通りかかると犬を起こしてしまったのか、むくっと起き上がりこっちを凝視。後ろからひたひたついてくる。後ろで咆えているのを無視して歩いていたが、気になって振り返るとどこからか仲間を集めてきたのか野犬が6匹縦列でお供のようについてきてるではないか。もうそこからは立ち止まることなくひたすら下山。登山口で見かけた狂犬病の注意を呼びかける看板とかゲーム・バイオハザードに出てくるゾンビ犬なんかが頭をよぎり、変な妄想ばかり膨らむ。途中、他の登山客と合流しなんとか野犬の群れをやり過ごす。

結局、犬に追い立てられるように下山してきて、お昼前には麓に到着。9番ルートも固い木のデッキで舗装されていて、一気に下ってきたせいか膝がガクガク、いつも以上の疲労感だった。一件だけ開いていた公園前の食堂で一休み。


肉まんを注文して食べてみるとこれが格別にうまい。このおいしさは、無事に下山できた安心感からか、犬から逃げられた安心感からか正直迷うところがあるけれど、とにかく登頂できた達成感と一緒に食べるものはおいしい。登山を初めてよかったなと思える旅行になった。

登山の日以外はしっかり観光してきました。行きたいところも行って、おいしい食べ物もお腹いっぱい食べて、個人的に大満足な旅行となりました。(登山前日の食べ過ぎが祟ってか、実は少しお腹が痛かった笑)


てくてく広報担当:下川康太郎

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